はじめに
2025年度財政法改正に伴い、企業の経営判断に影響を与える税務計画について重要な変更点が導入されました。本レポートでは、企業の経営意思決定に関わる税務計画の主要ポイントを解説します。
経営判断における一般的な税務考慮事項
企業経営における税務計画では、以下の点を考慮する必要があります:
- 控除可能な費用
- 控除可能な年度
- 控除が認められる範囲
- 繰越可能な範囲
事業継続または閉鎖の意思決定
事業の閉鎖を検討する際の税務上の考慮点:
損失と減価償却費の処理
- 事業損失は繰越可能で、継続事業の利益と相殺できる
- 未使用減価償却費は全ての所得区分で相殺可能
- 無期限に繰越可能(事業継続の有無に関わらず)
譲渡資産の処理
- 減価償却資産の売却時:短期キャピタルゲイン/ロスの発生
- その他資産の売却時:長期/短期キャピタルゲイン/ロスの発生
- 株式保有の変更に関する規定(第79条)を考慮
資産管理に関する税務計画
資産の保持、交換、更新
- 交換費用は資本的支出として控除不可
- 修理・更新費用は状況により資本的支出または収益的支出として扱われる
- 通常の修理費用は控除可能(第30条、第31条)
所有かリースかの選択
- 借入による購入:元金返済+利息支払い(減価償却費と利息は税控除可能)
- リース:リース料(税控除可能)
- 両オプションの税引後キャッシュフローの現在価値を比較して選択
企業再編に関する税務計画
2025年財政法改正における主要変更点 第72A条の改正(2026年4月1日施行):
- 2025年4月1日以降に合併・事業再編が行われる場合、前身企業の累積損失は継承企業において、元の前身企業で最初に計算された評価年度から8年間を超えない期間に限り繰越可能
合併に関する税制優遇
- 合併企業からの繰越損失・未使用減価償却費の引継ぎ(8年間)
- 特定条件下での科学研究費、電気通信ライセンス、自主退職制度費用などの未償却費用の引継ぎ
- 特別経済区域(SEZ)単位の譲渡に関する免税措置の継続
会社分割(デマージャー)に関する税制優遇
- 資産譲渡に関するキャピタルゲイン課税の免除
- 株主に対する優遇措置(新株の保有期間計算、取得費計算)
- 結果会社への未使用減価償却費や繰越損失の引継ぎ
結論
2025年度財政法改正は、特に企業再編における損失繰越期間を8年間に制限するなど、重要な変更を導入しています。企業は税務ポジションを最適化するため、これらの変更点を考慮した経営判断が求められます。事業の継続・閉鎖、資産管理、拡大・縮小といった重要な意思決定においては、改正された税制の影響を詳細に分析することが重要です。
本日は以上になります。
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