コストダウンは「Costos Variable」と「Costos Fijos」の理解から始めよ
  
Topic : Accounting
Country : Mexico

今回のテーマは「変動費(Costos Variable)と固定費(Costos Fijos)」についてです!

 

【はじめに】

前回までは、利益からなにが問題なのか、どうしていけば良いのかを解説してきました。
究極的には、利益を上げるには2つしかありません。

売上を上げるか、費用を下げるか。

今回は費用を下げるときのポイントについて解説していきます。

 

「費用を下げると言っても、なにから手を付ければいいかわからない」と言ったことがよくあります。
経営資源が限られている中で、どこに手を付けたら1番効果が出るのかというのを実際に測定出来るものが損益計算書(Estado de Resultads)には記載されていません。

 

損益計算書(Estado de Resultads)に記載されているのは、あくまでもいくらかの稼いだか、いくら使ったかだけです。

費用の性質も大まかにしか分けられていません。
それでは、どこがいけないのかなかなか判断が出来ません。

 

そこで、費用を今回のテーマである変動費(Costos Variable)と固定費(Costos Fijos)に分けて考えていく必要が出てくるのです。

 

変動費(Costos Variable)と固定費(Costos Fijos)

・変動費(Costos Variable)とは?

変動費は売上の増減に応じて、増減する費用のこと。

たとえば、「10,000個の製品を製造する場合、10,000個分の原材料を調達する必要があり、20,000個の製品を製造する場合、10,000個分の原材料を調達する必要がある」といったようにその製品の個数分の原価が発生します。

このように、製品やサービスの数が増えると”変動”する費用のことを変動費と言います。
原材料費、仕入原価、販売手数料、消耗品費などが一般的には該当します。

変動費は、製造・商品の販売などの企業活動に付随して発生するコストであることから、「活動原価(アクティビティコスト)」とも言われます。

 

・固定費(Costos Fijos)とは?

固定費とは、売上の増減にかかわらず、一定に発生する費用のこと。

たとえば、事務所の家賃は毎月必ず発生しますし、設備を使っていなくても減価償却費は発生します。
人件費も同様で、従業員を雇っている以上は必ず支払わなければならない費用です。

 

このように製品やサービスの数に関わらず、“固定”の金額が発生する費用を固定費といいます。
つまり、売上が0でも発生してくる費用です。

人件費、地代家賃、水道光熱費、接待交際費、リース料、広告宣伝費、減価償却費などがあります。

 

ただし、業種やビジネスモデルによって、変動費や固定費の考え方が変わってくることがあります。
以下、中小企業庁が公表しているものになりますので、参考にしてみてください。

 

【製造業】

固定費 変動費
直接労務費、間接労務費、福利厚生費、減価償却費、賃借料、保険料、修繕料、水道光熱費、旅費、交通費、その他製造経費、販売員給料手当、通信費、支払運賃、荷造費、消耗品費、広告費、宣伝費、交際・接待費、その他販売費、役員給料手当、事務員(管理部門)・販売員給料手当、支払利息、割引料、従業員教育費、租税公課、研究開発費、その他管理費 直接材料費、買入部品費、外注費、間接材料費、その他直接経費、重油等燃料費、当期製品知仕入原価、当期製品棚卸高―期末製品棚卸高、酒税。

 

【卸・小売業】

固定費 変動費
販売員給料手当、車両燃料費(卸売業の場合50%※)、車両修理費(卸売業の場合50%※)販売員旅費、交通費、通信費、広告宣伝費、その他販売費、役員(店主)給料手当、事務員(管理部門)給料手当、福利厚生費、減価償却費、交際・接待費、土地建物賃借料、保険料(卸売業の場合50%※)、修繕費、光熱水道料、支払利息、割引料、租税公課、従業員教育費、その他管理費。

売上原価、支払運賃、支払荷造費、支払保管料、車両燃料費(卸売業の場合のみ50%※)、保険料(卸売業の場合のみ50%※)

 

 

※小売業の車両燃料費、車両修理費、保険料は全て固定費。

 

【建設業】

固定費 変動費
労務管理費、租税公課、地代家賃、保険料、現場従業員給料手当、福利厚生費、事務用品費、通信交通費、交際費、補償費、その他経費、役員給料手当、退職金、修繕維持費、広告宣伝費、支払利息、割引料、減価償却費、通信交通費、動力・用水・光熱費(一般管理費のみ)、従業員教育費、その他管理費。

材料費、労務費、外注費、仮設経費、動力・用水・光熱費(完成工事原価のみ)運搬費、機械等経費、設計費、兼業原価。

 

<参照>

https://www.chusho.meti.go.jp/bcp/contents/level_c/bcpgl_05c_4_3.html

 

変動費(Costos Variable)の削減 vs 固定費(Costos Fijos)の削減

・変動費の削減方法

変動費の削減方法として、仕入先や外注先との価格交渉のほか、仕入先や外注先を切替えることなどが考えられます。

ただし、変動費を削減すると、品質の低下や売上の低下を招くこともありますので、注意が必要となります。

 

・固定費の削減方法

固定費の削減でわかりやすいところでは、オフィスの家賃があります。
長期入居を考えている物件なら、そのことを条件に家主と家賃交渉をするのがいいかと思います。

 

また、通信費、光熱費や水道などの契約プランを見直すことも、影響は小さいかもしれませんが費用の削減につながります。
書類のペーパーレス化や管理部門などのアウトソーシング化も、固定費の見直しになります。

また、車両を使う企業であれば、社用車をエコカーに切替えることで燃料費が削減できます。
レンタカーやカーシェアリング、リース契約に切替えるのもおすすめです。

 

ただし、固定費の中には、未来への労働生産性を上げる費用、未来の売上を上げる費用などがありますので、そういった費用を無理に削ってしまうと将来の売上の低下を招くこともありますので、注意が必要となります。

 

・変動費削減が有利なとき

ビジネスが軌道に乗り、売上高が増えてきた場合は固定費が有利となります。
変動費の場合には、売上高が増えた分だけ費用も必ず増えます。どんなに売上高が増えても、費用も増えてしまうのです。

固定費の場合には、売上に関係なく毎月一定の額が費用として発生するので、固定費を超える粗利益は稼ぎ続ける必要がありますが、一度粗利益額を超えることになったら、その先の粗利益はすべて手元に残る利益になります。

なぜなら、固定費は売上が増えても増えることがないからです。そのため、粗利益額が固定費を常に超えている場合には、変動費削減の方がいいのです。

 

・固定費削減が有利なとき

ビジネスを始めたばかりで、売上高が少なく、金額も安定しないときには変動費の比率が高い方が有利となります。なぜなら、変動費は売上高に増減に対して変動して発生する費用なので、もし、売上高が少なくても赤字になるリスクは少なくできるからです。

そのため、費用が変動費だけしか発生しなければ、そのビジネスが継続できなくなることはないということになります。

 

固定費の場合、売上に関係なく毎月一定の額が費用として発生するので、それ以上の粗利益を出さない限り、その月は赤字になってしまいます。また、ある月は黒字でも、次の月も黒字にできるかどうかはわかりません。赤字が続けばいずれ事業はできなくなってしまいます。

 

 

・変動費と固定費を切り替える

ここまでは変動費と固定費削減について話してきましたが、実際のビジネスにおいても変動費と固定費はある程度選択することが可能です。

例えば、固定費の代表である人件費の場合、正社員として雇っていれば固定費ですが、成果に応じて歩合で支払う業務委託の形式にすれば変動費となります。固定費を変動費に変える方法は、内製していた製品を外注に出して受注分だけ生産する、必要なときにだけ使えるレンタルサービスを活用するなどがいろいろ考えられます。

利益を増やそうとするときには、売上を増やすか費用を減らすことを中心に考えることが多いですが、変動費と固定費を切り替えることでも利益を増やすことができます。

 

【おわりに】

変動費と固定費の特徴を一言でまとめると、ローリスク・ローリターンが変動費、ハイリスク・ハイリターンが固定費だと言えます。
変動費が多いと経営は安定しますが、利益の増え方は緩やかになり、固定費が多いと固定費負担をカバーするのは大変ですが、利益の増え方は大きくなります。
どちらを選択するかは戦略しだいですが、こういったことを把握した上で、費用の削減を考えていく必要があります。

 

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最後までお読みいただきありがとうございました。

Creater : Yoshida Yukiya