マレーシア中央銀行は5日、安定した経済成長と穏やかなインフレを背景に、政策金利を3%に据え置くことを発表しました。経済成長とインフレについては明るい見通しが示されました。
ロイターの調査によれば、30人のエコノミスト全員が現状維持を予測しており、大半が少なくとも2026年までは政策変更がないと見込んでいます。中銀は、金融政策が経済を支援し、インフレと成長見通しに関する現在の評価と整合的であると認識しています。「2025年に向けてインフレと成長の軌道を評価するために、現在の動向を引き続き注視している」との声明も発表されました。
24年上半期の成長が予想を上回ったことを受けて、中銀は通年の成長率が4-5%の予測の上限に達するとしています。最新の指標は、堅調な国内支出と輸出の増加による経済活動の持続的な力強さを示しています。
総合インフレ率とコアインフレ率は予想の範囲内に留まり、今年は3%を超えないとしています。マレーシア政府は6月に軽油への補助金を一部廃止し、さらなる改革を進めようとしています。中銀は、インフレ見通しについて政府の政策の影響を受けると指摘しました。
「インフレ上昇リスクは、国内の補助金や価格統制に関する政策がより広範な価格動向にどの程度波及するか、また世界の商品価格や金融市場の動向に左右される」との見方も示されています。
通貨マレーシアリンギは中銀の発表後、ほぼ変わらずでしたが、リンギは2月に記録した26年ぶりの安値から急速に回復し、対ドルで今年6%の値上がりを見せています。中銀は、米国など主要国の金利低下見通しが背景にあると認識しています。
キャピタル・エコノミクスは、上半期の経済成長が強かったものの、補助金廃止によるインフレ懸念が高まると指摘し、来年末まで政策金利が据え置かれるとの見方を示しています。