こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの吉田です。
今回のテーマはメキシコにおける人身取引法改正による影響についてです。
【はじめに】
6月8日に「人身取引関連犯罪防止・制裁・撲滅および被害者保護・救済法(人身取引防止法)」が改正されました。
この改正は進出日系企業の操業に影響を及ぼす可能性があります。
今回はこの改正が与える残業時間の影響について、解説していきます。
【残業時間に与える影響】
改正された第21条では、「労働搾取」に対する罰則が強化されています。
具体的には、以下の行為が労働搾取として3~10年の禁錮およびUMAの5,000~50,000倍の罰金の対象となります:
・活動の発展のために必要な保護がない、危険で不健康な条件下で働かせること
・仕事量とその対価が明らかに釣り合っていないこと
・法定最低賃金以下で働かせること
・法律が定める基準を超えた労働時間で働かせること(今回の改正で追加)
さらに、先住民居住区やアフリカ系メキシコ人居住地の住民を労働搾取した場合、罰則は4~12年の禁錮およびUMAの7,000~70,000倍の罰金となります。
特に、第21条の改正により1日3時間以上、週9時間以上の残業を労働者に強いる場合、雇用主は刑事罰の対象になる可能性があります。
これは、憲法第123条および連邦労働法(LFT)第61条に基づき、通常の労働時間を超える残業に関する規定が厳格化されたことによります。
LFT第66条では、1日3時間、週9時間を超えない範囲での残業を認めていますが、これを超える残業は違法とみなされ、
LFT第68条では、労働者はそのような残業を拒否する権利を持ち、超過分の残業代が3倍に設定されることが規定されています。
この改正により、1日3時間、週9時間を超える残業を労働者に強制する場合、雇用主が刑事罰の対象となる可能性が出てきます。
労働法に詳しい専門家によれば、法定残業時間を超えただけで即座に刑事罰が適用されるわけではないとされていますが、労働者との間で労働裁判のリスクが高まる可能性があります。
【おわりに】
進出日系企業は、これらの改正点を踏まえた上で、労働時間や労働条件の管理を厳格に行い、労働法規を遵守することが求められます。
特に、残業時間の管理には細心の注意を払い、労働者の権利を尊重することが重要です。
今回は以上となります。