ミャンマーでは、外国人の雇用人数に応じて、現地人の雇用人数を義務づけるような規定はありません。
しかしながら、経済特区法及びミャンマー投資法には非熟練労働者はすべてミャンマー人を雇用することという規程があるため、経済特区法に基づく投資許可を得て設立した企業及び、ミャンマー投資法に基づく投資許可を取得した企業は各法に従い熟練技術を必要としない業務に関してはミャンマー人のみを雇用することが求められています。
現地人の雇用義務については、従来の外国投資法と経済特区法では、会社設立後、2年以内にミャンマー人労働者を熟練工や管理者として最低25%雇用し、次の2年以内に最低50%、さらに2年以内に最低75%まで増員しなければなりませんでした。
また、それ以外の高度な技術を要しない役職等については原則ミャンマー人労働者のみで、外国人は雇用できないとされていました。
新投資法では、明確な基準は定めておりませんが、免税等の申請を行う場合には、同等の水準の雇用義務が求められるものと想定されます。
2019年現在、ミャンマー国民の雇用義務が発生する企業は、1)ミャンマー投資法に基づく投資許可(MIC許可)を取得した企業と2)経済特区法に基づく投資許可を取得した企業となります。
多くのサービス業の企業は会社法に基づいて設立されますが、会社法のみに基づいて設立された場合、外国人の雇用割合に関する規制、及び熟練技術を必要としない職種についての規制は法律上規定されていません。
| 対象 |
要件 |
| 投資法に基づく投資許可(MIC許可)を取得 |
熟練技術を必要としない業務ではすべてミャンマー人を雇用しなければいけない(投資法51条(c))
(ただし、ミャンマー国民を管理職や専門家として雇用できるように能力開発プログラムを用意する必要があります(投資法51条(b)))
|
| 経済特区法に基づく投資許可を取得 |
熟練技術を必要としない業務ではすべてミャンマー人を雇用しなければいけない(経済特区法74条)
また、熟練工の雇用義務として
25%:事業開始2年以内
50%:事業開始4年以内
75%:事業開始6年以内
をミャンマー国民から雇用しなければいけない(経済特区法75条)
|
一方、労働者の採用に関しては特別な規制はありません。原則として郡労務事務所(Township labor office)を通して募集をすることとされていますが、現在では新聞への広告掲載や人材紹介会社を通して自ら募集することが一般的となっているほか、知り合いからの紹介などによる採用も広く行われています。
また、現地人の特徴として、ミャンマー人は比較的温和で控えめな性格といわれています。国民の多くが仏教を信仰しており、親日家が多いのも特徴とされています。
| 【郡労務事務所を通す場合の募集手続き】 |
| 1 |
資格要件や職務の内容、雇用条件、募集人数等の募集条件を、書式に従い郡労務事務所へ通知 |
| 2 |
郡労務事務所から、条件に合致しているとされる登録求職者の推薦リストが届く |
| 3 |
リストの中から最適な候補者を選び、選んだ候補者を郡労務事務所へ通知する |
| 4 |
選ばれた候補者は、雇用者からの正式採用通知として郡労務事務所より書類(Form-7)を受け取る。 |
いかがでしょうか。
上記の通り、ミャンマーでは採用に関する規定が少なく、比較的自由な採用ができます。
ただ、一方では日本人がミャンマー人に比べてあまりにも多い場合にはビザの発行の際に説明を求められるという事態も散見されるので注意が必要です。
また、今後の海外ビジネスにおいては製造拠点としての子会社だけではなく、新規市場への展開をする販売機能としての側面を子会社は期待されていくこととなります。
その際に求められるのは、現地の市場を知り素早い判断で戦略を立て全社が一体となって動くことのできるマネジメントシステムであり、それにはスタッフに会社の理念を伝えていける現地マネージャーの存在が不可欠です。
こういった背景から、ミャンマー人を採用していく際には、同時に教育とローカリゼーションを検討していくことが重要になっています。
この記事に対するご質問・その他ミャンマーに関する情報へのご質問等がございましたらお気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました。