概要
2026年2月9日、インド政府は労働法の大改革である4つの労働コードの下、雇用者が複数の労働法や州ごとに個別登録する必要をなくす「中央登録制度(One Central Registration)」の概要を明らかにしました。労働コードは29の労働法を4つのコードに統合したもので、2025年11月21日に施行されたものの、中央ルールは未整備であり、2026年4月1日までに最終ルールが通知される見込みです。今回の発表により、登録・ライセンス・報告義務が一元化され、コンプライアンス費用が削減されると期待されています。
ポイント
- 制度の内容:中央登録制度は従来のファクトリー法、契約労働法、従業員積立基金(EPF)、従業員州保険(ESI)など個別法ごとの登録を廃し、単一のデジタル登録で各労働コードへの適合を証明する仕組み。提出した情報はライセンス取得や変更届、各種申告に再利用可能で、州をまたぐ事業にも有効です。
- 単一ライセンスと統合申告:中央登録には五年有効の全インド共通ライセンスと統合申告制度が併設され、事業者は複数の許可証や年次報告を一本化できます。
- 旧制度との違い:従来は法律ごとに別々のポータルや当局とやり取りし、同じ事業情報を繰り返し提出せねばならず、多州展開企業では二重の手続きや高いコンプライアンス費用が問題でした。
- 期待される効果:中央登録制度により、書類作成の負担軽減、登録・更新コスト削減、事業開始までの期間短縮、検査や監査の透明性向上、複数州事業の円滑化などの利点が得られるとされています。制度は企業が本業に集中できるようにし、成長企業や多州展開企業の負担を減らすことが狙いです。
今回の一元化の背景には、企業がEPFやESI、契約労働規制など多数の登録やライセンスを行う現行制度の複雑さがあります。中央登録制度の導入によって、企業側もデジタル化による効率化が求められています。新制度はShram Suvidhaポータルを通じたオンライン登録と共通識別番号の発行を進め、各州のローカルルールとの連携も図る計画です。今後は社会保障登録や契約労働者管理なども中央登録番号を基に一元的に行うため、財務部門と人事部門が連携してデータの整合性を確保し、統合申告へ移行する準備が重要です。
まとめ
今回示された中央登録制度は、従来の分散した登録制度を抜本的に改革し、デジタルな一元登録・許可・申告を可能にします。日本企業にとっては、複数州の工場や販売拠点を持つ場合でも単一登録により行政手続きが簡素化される一方、施行に向けて登録ポータルやライセンス制度の詳細を早期に確認し、現行契約や内部管理体制を新制度に合わせて整備する必要があります。また、最終ルールの公布まで暫定制度が続くため、現行法との重複や過渡期の運用ルールには注意が必要です。
本日は以上になります。
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