バングラデシュの火災保険
  
Topic : Other
Country : Bangladesh

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本日は、「バングラデシュの火災保険」について解説します。

 

  1. 概要

バングラデシュにおける火災保険は、建物やその内部の財産が火災や爆発、自然災害、盗難などによって損害を受けた場合に、損害額を金銭で補償する制度です。バングラデシュの火災保険は、火災や落雷、爆発を補償する標準火災保険と、洪水や盗難、破損などを追加でカバーする包括型・特約付き保険に大別されます。日本の火災保険と比べると、自然災害や盗難の補償はオプションとして設定されることが多い点が特徴です。

 

ただ火災保険の普及率は低く、加入者の中心は企業や商業施設、資産家であり、個人住宅向けの加入はほとんど見られません。歴史的には、独立前の民間保険会社による限定的な提供から、独立後の政府主導による整備、1980年代以降の民間会社再開を経て、現在は保険開発規制庁(IDRA)による規制・監督の下で市場が整備されています。

 

  1. 火災保険の補償範囲

バングラデシュで販売されている火災保険は、主に標準火災保険包括型保険の2種類があります。

 

種類

補償内容

対象例

標準火災保険(Standard Fire Policy)

火災・落雷・爆発事故

小規模オフィス、住宅

包括型・特約付き保険(All Risk / Special Perils)

火災+洪水・台風・盗難・破損・偶発的損害

工場、倉庫、IT設備の多いオフィス

 

標準火災保険は、基本的なリスクを補償するものであり、包括型・特約付き保険は、標準火災保険の補償内容に加え、洪水や台風などの自然災害、盗難、破損、偶発的損害といった幅広いリスクをカバーする点が特徴です。

 

  1. 保険料の決まり方

バングラデシュにおける火災保険の保険料は、建物や財産の価値、所在地、用途、建物構造、防火設備の有無などを基礎として算定されますが、標準火災保険と包括型・特約付き保険では、リスク評価の範囲と保険料水準に明確な違いがあります。

 

 標準火災保険

建物の再調達価額や内部財産の価額を基準に、立地条件や建物構造、防火対策の状況を加味して料率が決まります。リスク評価の対象が限定されているため、小規模オフィスや住宅向けとして保険料負担を抑えやすい特徴があります。

 

 包括保険

火災に加えて洪水、台風、盗難、破損、偶発的損害など、広範なリスクを補償対象とします。このため、標準火災保険よりも保険料は高くなる傾向があります。また、工場や倉庫、IT設備の多いオフィスでは、設備内容や在庫の性質、損害発生時の事業継続への影響度も考慮されるため、保険料はさらに上昇します。

 

日本の火災保険と比較すると、保険料の決まり方にも違いがあります。日本では、火災保険に風災や水災、盗難などがパッケージとして含まれることが多く、補償範囲と保険料が比較的標準化されています。そのため、利用者は細かな特約選択を意識せずに加入できるケースが一般的です。

一方、バングラデシュでは火災補償を基本とし、洪水や盗難などのリスクは特約として個別に追加する仕組みが主流です。このため、補償範囲の選択によって保険料の差が大きくなり、立地条件や事業内容に応じたリスク評価が保険料算定に強く反映されます。結果として、バングラデシュでは日本以上に、契約時の補償内容の検討が重要となります。

 

項目

標準火災保険(Standard Fire Policy)

包括型・特約付き保険(All Risk / Special Perils)

保険料水準

比較的低い

標準火災保険より高い

決まり方

建物・財産価値+建物構造+防火設備+立地条件

建物・財産価値+建物構造+防火設備+立地条件+自然災害・盗難リスク+事業影響度

特記事項

火災補償に限定、洪水や盗難は対象外

補償範囲が広く、自然災害や盗難リスクがある地域では保険料が大幅に変動

日本との違い

標準補償に風災・水災・盗難が含まれないことが多い

日本では多くのリスクがパッケージ化されるが、バングラデシュでは特約で追加する仕組みが一般的

 

 

  1. 補償額
    •  標準火災保険

建物構造や防火設備、立地条件などに応じて補正が行われ、保険料は補償額に比例して設定されます。標準火災保険は対象リスクが限定的であるため、補償額に対する保険料は比較的低額で抑えられる傾向があります。具体的な金額は保険会社への確認が必要です。

 

    •  包括保険

包括保険は、標準火災保険に比べて広範なリスクをカバーするため、補償額の設定にはより多くの要素が加味されます。建物や財産の価値に加え、地域の自然災害リスク、盗難や破損の可能性、事業継続への影響度などを総合的に評価し、補償額が決まります。補償範囲が広いため保険料も高くなり、過大評価すると保険料が過剰になり、過小評価すると損害発生時に十分な補償が得られないリスクがあります。具体的な金額は保険会社への確認が必要です。

 

日本の火災保険と比較すると補償額の評価は施設の立地や財産の性質、事業リスクに応じて個別に調整されることが多く、日本のようにある程度標準化された補償額設定とは異なります。特に自然災害のリスクが高い地域や、大規模な設備を有する企業では、補償額の設定に慎重な判断が必要です。

 

 今回は「バングラデシュの火災保険」について解説しました。

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本記事は、バングラデシュに関する一般的な情報提供のみを目的としたものであり、法的助言を構成するものではありません。

Creater : 塚田 涼太