メキシコの為替評価損益
  
Topic : Accounting
Country : Mexico

こんにちは。
東京コンサルティングファームの山本です。


先日お客様から、以下のような質問がありました。

当社の取引は仕入・販売・支払・入金の約90%がUSDであり、借入金もなく、保有資金もほぼUSDであるため、MXN/USDの為替変動による実際のキャッシュ面での影響はほとんどありません。しかし、日本の親会社では日本の会計基準に基づく為替差損益の考え方で理解されているため、この点の説明に苦慮しています。

要約しますと、
メキシコ会計制度では、為替差損益額が日本会計制度よりも過大に評価されてしまうが、しかし日本側の本社がこのメキシコの会計制度を理解しないということです。

ここではメキシコにおける為替評価損益について、日本の会計制度と比較して、お話ししたいと思います。


■ 日本の会計(取引ベースで為替差損益を認識) 
日本では、外貨取引は取引時の為替レートで円換算して記帳します。 
その後、決済時の為替レートとの差額が為替差損益となります。 

【イメージ】 
仕入時 USD 1,000 × 100円 = 100,000円で計上 
支払時 USD 1,000 × 110円 = 110,000円 
→ 差額10,000円が為替差損 

つまり、日本では 「取引が発生したタイミング」で為替差損益が認識されます。 


■ メキシコの会計(期末評価で為替差損益を認識)
 メキシコでは、会計はペソ建てで行われるため、 
外貨建ての資産・負債は月末や決算時に為替レートで再評価します。 

【イメージ】 
月末時点でドル建て買掛金がある場合 

USD 1,000 
取得時レート:17ペソ 
期末レート:18ペソ
 
17,000ペソ → 18,000ペソに再評価
 → 差額1,000ペソが為替差損
 
つまり、外貨建ての資産・負債について「期末評価」により為替差損益を認識します。
※メキシコでは月次で会計がなされるので、この作業は毎月あります。


■ 日本との違い 
日本   ・取引が発生した科目のみ為替差損益が発生 
メキシコ ・外貨建ての資産・負債すべてを期末に再評価する。

そのため毎月為替差損益が発生し、メキシコの会計では日本の処理と比べて 為替差損益の金額が大きく見える傾向があります。 

これは会計処理の考え方の違いによるものであり、 メキシコの会計制度に基づく通常の処理となります。 

 

メキシコ会計や法務など質問があるときはご連絡をお待ちしております。



 

Creater : 章央 山本