マレーシアでビジネスを始める際、固定資産の減価償却について理解しておくことは重要な要素の一つです。この記事では、マレーシアにおける減価償却の会計および税務上の処理について、わかりやすく解説します。
1.減価償却とは?
減価償却とは、固定資産の購入費用をその使用可能期間にわたって分割して費用計上する会計処理です。これは、設備や機械装置など、時間とともに価値が減少する資産に適用されます。具体的には、購入した年に全額を経費として計上するのではなく、数年間にわたって少しずつ費用として計上します。
2.マレーシアでの会計処理
マレーシアでは、企業が資産の便益を消費するパターンに基づいて、その耐用年数にわたり規則的に配分します。企業は最適だと考える償却方法と期間を選択でき、定期的な見直しも可能です。
3.税務上の処理
マレーシアでは、税務上の減価償却には「Initial Allowance (IA)」と「Annual Allowance (AA)」という償却率が用いられます。IAは取得した年度に適用され、その後はAAのみが適用されます。これらの償却率は固定資産の種類ごとに設定されています。
例として、RM120,000の設備を購入した場合、初年度にはIAとAAを合わせてRM40,800が損金として計上され、その後は毎年AAのみが適用されます。
4.減価償却できる資産とできない資産
減価償却できる資産は、業務に使用され、時間の経過とともに価値が減少するものです。これには建物や機械装置、備品などがあります。一方で、美術品や土地など、価値が減少しないものは対象外です。
5.注意点
耐用年数は資産ごとに異なるため、正確な耐用年数を確認することが重要です。また特例措置として、中小企業や個人事業主には特例があり、小額資産については全額を一度に経費として計上できる場合があります。
6.マレーシアビジネスのことは「東京コンサルティングファーム」にお任せください
今回は「マレーシアの減価償却」について解説しました。
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本稿で解説したマレーシア会計税務に関するご相談はもちろん、海外進出から海外子会社管理、クロスボーダーM&A、事業戦略再構築など、海外進出に関する課題がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
※本記事は、マレーシアに関する一般的な情報提供のみを目的としたものであり、法的助言を構成するものではありません。