2026年1月より、シンガポールのCPF(中央積立基金)制度において重要な変更が施行される。これは、2023年予算案で公表された「CPF給与上限(Ordinary Wage Ceiling)引き上げロードマップ」の最終段階にあたる。
まず、CPF拠出計算の基礎となる月額給与上限(OW Ceiling)は、2026年1月1日付で現行のS$7,400からS$8,000へ引き上げられる。月給がS$7,400を超える従業員を雇用している場合、雇用主・従業員双方のCPF拠出額が増加し、企業側では人件費増、従業員側では手取り給与の減少が生じる点に留意が必要である。
また同時期より、55歳超〜65歳以下のシニア従業員を対象に、CPF拠出率が引き上げられる。引き上げ幅は雇用主・従業員合計で約1.5%とされており、高齢人材の活用を進めている企業では影響が相対的に大きくなる可能性がある。
このほか、政府はプラットフォームワーカーに対する社会保障拡充を検討しており、将来的にCPF適用範囲が拡大される可能性がある。
ただし、具体的な制度内容や施行時期は現時点では確定しておらず、今後の公式発表を注視する必要がある。
企業としては、2026年1月の給与計算開始までに、①2026年度の人件費影響の試算、②給与計算システムが新たな給与上限および拠出率に対応しているかの確認、③従業員への事前説明(特に手取り額が減少する層)を進めておくことが重要となる。
制度変更自体は確定事項であるため、実務面での準備の遅れがないよう注意したい。
今回は「2026年1月施行:CPF給与上限S$8,000への最終引き上げと実務対応」について解説しました。
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※本記事は、シンガポールに関する一般的な情報提供のみを目的としたものであり、法的助言を構成するものではありません。