シンガポール人やPR保持者(永住権保持者)が拠出の対象になる、CPF(中央積立基金)ですが、段階的に拠出率や額などが引き上げられることが既に発表されています。今回は次回2024年1月時点での変更点について簡単におさらいします。
1.OWの上限の増加
シンガポール人、もしくはPR保持者であれば拠出が必要となるCPFですが、彼らの受取給与の全額が拠出の対象となるわけではなく、一定の上限(Ceiling)が設けられています。これは、OW(Ordinary Wage) Ceilingと呼ばれており、2023年9月に丁度SGD6,000からSGD6,300へと引き上げられたばかりですが、2024年1月にSGD 6,800への更なる引き上げが既に予定されています。OWの考え方としては、全ての支給額を含むのではなく、その月に稼得した分の支払いが該当します。(基本給や、固定の手当等)ボーナスなど、月に紐づかない支払いの額はOWの対象外となります。
2.拠出率の変更
2024年1月以降の拠出率の変更について、以下の表にてまとめました。55歳以下、及び71歳以上を除いては、拠出率の変更の影響を受けることになります。該当する年齢の従業員がいる場合は、事前に本人と認識のすり合わせをしておくことが望まれます。
| |
現行 |
2024年1月以降の拠出率 |
| 総拠出率 |
総拠出率 |
雇用主拠出率 |
従業員拠出率 |
| 55歳以下 |
37 |
37 |
17 |
20 |
| 56~60歳 |
29.5 |
31 |
15 |
16 |
| (+1.5) |
(+0.5) |
(+1) |
| 61~65歳 |
20.5 |
22 |
11.5 |
10.5 |
| (+1.5) |
(+0.5) |
(+1) |
| 66~70歳 |
15.5 |
16.5 |
9 |
7.5 |
| (+1) |
(+0.5) |
(+0.5) |
| 71歳以上 |
12.5 |
12.5 |
7.5 |
5 |
3.変更のタイミングについてのよくある勘違い
今回の変更は、2024年1月の給与にかかるCPF申告分からの対象となります。CPF申告を毎月行う企業の中でよくある勘違いとして、CPFの支払月=申告月という認識がありますが、これは誤りで、多くの場合、申告対象月とそのCPFが拠出される月はひと月ずれることになります。該当する月の給与分の申告は翌月の14日が締め切りのため、1月の申告を2月に行い、引き落としも2月に行われるということは十分にありえます。もしくはGIROを設定して、CPF該当月の翌月に毎月自動で引き落とされるようにしている企業もあるでしょう。このように、現金主義的に申告月=支払い月と考えて、変更タイミングを誤らないように気を付ける必要があります。1月に引き落とされる分、つまり12月度の申告から変更が適用されると勘違いし、12月度の申告から変更してしまわないように注意しましょう。
以上、2024年1月以降のCPFの変更点とその注意点について簡単におさらいしました。ローカルスタッフの雇用をする企業の会社の給与計算担当者の方や、給与計算を外部のファームに委託している企業も把握しておく必要があるでしょう。
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