カンボジアの労働・職業訓練省(MLVT)は2022年6月23日、縫製、衣類、履物、鞄、旅行用品産業における2023年の法定最低賃金設定に向けて、政府、労働者、雇用者による3者協議を行うことを発表しました。
3者はそれぞれ7月中に内部協議を行い、8月には協議を開始すると見られており、その後の9月に行われる国家最低賃金委員会(NCMW)によって最低賃金が決定されます。
最低賃金額は、労働法に基づいて、労働諮問委員会が政府に勧告する額によって決められています。10月には最低賃金額が決定され、翌年1月から施行するという流れになっています。
基本的に金額の決定はコンセンサス方式が採用されていますが、決まらない場合は、投票による過半数以上によって決められています。
2022年のカンボジアの最低賃金は月194USDと、2021年から2USDの引き上げが見られました。
2022年の協議では、労働者側が204USD、雇用者側が188USDをそれぞれ提案していて、前年と同額の192USDで妥結した後、フン・セン首相が慣例に従って2USDを上乗せしました。
2023年では、労働側から月214USDを要求することも視野に入れていると、カンボジア労働組合連合(CLC)のアト・トーン代表は明らかにしました。
また、同代表によると、2023年は総選挙が行われるため、政治指導者は労働組合の要求の受け入れを余儀なくされる可能性があるとのことです。