企業が知っておくべきカンボジア社会保障制度(NSSF)
  
Topic : Labor
Country : Cambodia

カンボジアでビジネスを展開する際、国家社会保障基金(National Social Security. Fund:NSSF)の理解は社会保障制度を把握するうえで非常に重要です。この国家社会保障基金(NSSF)は、カンボジアの社会保障制度を支える主要な機関であり、特に労働者や企業にとって不可欠な存在です。この記事では、このNSSFの仕組みや登録手続きについて解説します。

1.NSSFとは?

 NSSFとは、National Social Security Fundの略称で、日本語では国家社会保障基金と呼ばれます。この制度は、カンボジア国内で働く労働者に対し、健康保険や労働災害保険などを提供するために設立されました。フォーマルセクター(民間企業)に勤める従業員や公務員が主な対象です。

2.NSSFの主な機能
 NSSFの主な機能として以下3点が挙げられます:

  1. 健康保険: 労働者が病気や出産時に医療サービスを受ける際の費用をカバー
  2. 労働災害保険: 労働中の事故や職業病による損害を補償
  3. 年金制度(予定): 将来的には年金制度も導入予定であり、老後の生活を支える仕組みが整備される

3.企業の義務と手続き

 企業は、従業員を雇用した日から30日以内にNSSFへの登録を行う必要があります。登録後は、毎月15日までに保険料を納付し、20日までに従業員数を報告する義務があります。これらの手続きは、法律で定められているため遅れることがないように注意が必要です。

4.必要書類と手続きフロー

<必要書類>

企業登録用紙: 会社設立証明書やパテント証明書などが含まれます。

従業員リスト: 従業員全員の情報を記載したリストが必要です。

身分証明書: 企業代表者や従業員の身分証明書が求められます。

 これらの書類を揃えた上で、NSSFへの提出が必要です。手続きが完了すると、正式に登録され、社会保障サービスを受けることができます。

5.注意点とメリット

 NSSFへの適切な登録と報告は法律で義務付けられており、違反すると罰則が科される可能性があります。しかし、NSSFに登録することができれば、従業員は安心して働くことができ、企業としても信頼性が高まります。

 

6. カンボジアビジネスのことは「東京コンサルティングファーム」にお任せください

 今回は「カンボジア社会保障制度(NSSF)」について解説しました。

 私たち「東京コンサルティングファーム」は、会計事務所を母体とした20ヵ国超に展開するグローバルコンサルティングファームです。

 海外現地では日本人駐在員とローカルスタッフが常駐しており、また各拠点に会計士・税理士・弁護士など専門家チームが所属しているため、お客様の多様なニーズに寄り添った対応が可能です。

 本稿で解説した、カンボジア社会保障制度に関するご相談はもちろん、海外進出から海外子会社管理、クロスボーダーM&A、事業戦略再構築など、海外進出に関する課題がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

※本記事は、カンボジアに関する一般的な情報提供のみを目的としたものであり、法的助言を構成するものではありません。

 

Creater : Akiho Tanisaka