バングラデシュでは、様々な場面で従業員の給与の計算方法が異なります。
給与の計算方法は、労働法によって定められているため、下記にてご紹介いたします。
①社員が欠勤した際の給与控除の計算方法
社員が欠勤した際は、入社時に与えられる、病気休暇(Sick leave)や臨時休暇(Casual Leave)、もしくは勤続1年以上の社員であれば 有給休暇(Annual Leave)として扱うのが一般的ですが、それらを超えて欠勤する場合は、欠勤日数分の給与を控除することができます。(労働法第126条) グロス給与とは、基本給(Basic Salary)とその他の手当を含めた、実際に労働者に支払われる金額を指します。
1日当たりの欠勤控除額計算方法は、以下の通りです。(労働規則第115条)
1日当たりの欠勤控除額=グロス給与÷30(日)
【注記】
当月日数が、29日もしくは31日の場合でも30(日)で計算します。
欠勤日数分の給与額を超える控除は、労働法上、認められていません。
②残業手当(Overtime Allowance)の計算方法
1日の労働時間は、8時間と定められていますが、労働法では、1日最大2時間の残業(合計10時間の労働)が認められています。労働者に残業させる場合には、予め労働者に残業の許可を取った上で、残業手当(Overtime allowance)を支払うこととなっています。
1時間当たりの残業手当の計算方法は、下記の通りです。(労働規則第102条)
1か月分の基本給(Basic Salary)÷208(時間)×2=残業手当(1時間分)
③月の途中入社、もしくは途中退社の場合の計算方法
バングラデシュでは、給与期間の途中で入社もしくは退社するケースがあります。
給与額=1日当たりの給与額×労働日数(休日も含めた日数)
1日当たりの給与額の計算方法は、下記のとおりです。(労働規則第114条)
1日当たりの給与額=グロス給与÷当月日数
【注記】
バングラデシュでは、入社時に試用期間を設けるのが一般的です。試用期間中の給与が異なる場合は、試用期間中のグロス給与を基に計算することが可能です。
④従業員退職時の退職金の計算方法
バングラデシュでは、従業員が会社を退職する際に退職金を支払う必要があります。
退職金の計算は、2つのケースがあります。(労働法第2条10項)
(1)入社10年未満
勤続年数×30日分の基本給(Basic Salary)
(2)入社10年以上
勤続年数×45日分の基本給(Basic Salary)
【注記】
6か月以上勤務していた場合、四捨五入になります。
例えば、1年6か月の勤務の場合は、勤続年数2年として計算します。
退職金の支払いは、従業員が退職してから30日以内に支払わないといけません。(労働法第30条)
バングラデシュでは、従業員と給与についてトラブルになるケースが少なくありません。
労働法に則った労務管理を行い、給与管理の整備をすることをおすすめします。