■ バングラデシュの退職金について
バングラデシュ労働法では、雇用主は勤続年数が6か月以上の従業員を対象に退職金支払い義務が発生することが記載されています。
退職金支払い額は、下記の計算方法の通りとなります。
<退職金支払い額>
勤続1年以上→1年に対して1か月分の基本給
勤続年数10年以上→1年に対して1.5か月分の基本給
■ バングラデシュの解雇について
バングラデシュ現地では、法律上①懲戒解雇、②解雇(通常のもの)と2種類あります。懲戒解雇の場合(①)は、事前の通知なく労働法が定める解雇項目に基づき即日解雇が可能です。解雇事項は下記に記載しています。一方、雇用主側都合で労働者を解雇する場合(②)、正規雇用の従業員に対しては120日前の事前通知が必要となります。また事前通知ができない日数分は、当該期間の給与を解雇する従業員に支払いをする必要があります。
<法律上の懲戒解雇となる項目>
・上司による合法的、妥当な命令に対して従わない行為、業務命令違反
・雇用主の業務もしくは資産に関連した窃盗、詐欺、不正行為
・労働者もしくは他の労働者に関連した賄賂取引
・10日以上の無断欠勤
・常習的な遅刻や早退
・法律、規則、もしくは組織に適用される規定に対する常習的な違反行為
・組織内での暴動や乱暴な行為、もしくは規律に反する行為
・業務の常習的な不履行
・就業規則、雇用契約書その他雇用関連規則に定める事項に関する常習的な違反
・雇用主の公式な記録の偽造、買収、損傷、紛失の原因となる行為
■ バングラデシュの労働規則の改訂について
9月に労働規則の改訂がありました。主な変更の一つとして、基本給は総給与額の50%以上とすることが新たな規定として追加されました。総給与額は、非課税枠を考慮し、基本給の他、医療手当、住宅手当、交通費で構成されることが多いですが、基本給を下げることで、残業代、退職金、積立基金のような従業員ベネフィットが下がるため、雇用者保護の観点より、本規定がされたものと推察されます。