労働組織とストライキについて
  
Topic : Labor
Country : Myanmar

ミャンマーにおいて、労働組合運動やストライキは1991年以降禁止されており労働組合としての活動は事実上できないこととされていました。

法的には、1927年に制定された労働組合法(The Trade Union Act)が存在しており、労働組合の定義と登録、労働組合登録証明書の発行、登録された労働組合の権利と義務、規則、違約金、手続き等に関する規定が定められていますが、実際には機能していませんでした。

その後、民主化の一環として、2011年の10月に、労働者の権利を保護し、良好な労使関係を維持するため、労働組合法の改正が公布され、その中では一定の条件を満たした場合の労働組織の結成とストライキが認められています。 

2012年以降には工業団地・工場各地でストライキが発生しています。しかし、法定の手続きを経ていない違法ストライキがほとんどであり、政治活動家がその渦中にいるケースも散見されました。

今後も労働条件の向上や適正化のための運動が起こることが予想されるため、労働組合の組成を認め、正規の方法での交渉の準備をする必要があります。

 

上記労働組合法において、労働者の定義は経済活動に従事するもの及び生活のために労働を行うものと定義されており、その中には外国企業の従業員含め、日雇いの労働者や軍・警察組織関係者以外の政府職員も含まれます。(労働組織法2条)

基本労働組織の組成に関しては最低30人の関連する事業で働く労働者が参加し、関連する事業で働く労働者のうち全体の10%から推薦をもらう必要があります。また、労働者が30人未満の事業の場合は類似する事業や活動の労働者の参加も認められています。(労働組織法4条)

これら労働組織は訴訟を起こす権利や過半数の賛成を得た組合規約の作成について、労働組織の登録申請が必要であることなどが別途労働組合法で規定されています。

 

【労働組織の種類】

【ストライキ・ロックアウトについて】

 

労働組織がストライキを行う際は、関連する労働連盟(labour federation)の指示に従い事前に雇用主と仲裁団体に対して実施日時、場所、参加人数、方法、ストライキ期間などを届け出る必要があります。

事業が公益事業を含む場合は遅くとも14日前、公益事業にかかわらない場合は最低3日前の通知が必要です。(労働組織法38条、39条)

また、事業が公益事業を含む場合、労働組織はストライキ権を行使する際にはストライキ権に影響しない範囲内で、公共の基本的なニーズに合致し、紛争より優先するべきとする必要最低限度のサービスについて交渉、議論し決定をしなければなりません。上記交渉を行う中で、雇用者と労働組織はストライキの期間中にも就業が求められるポストの数と種類及び就業が求められる従業員に関して合意をすることが求められています。

これらの交渉において労働組織と雇用者が合意することができなかった場合は必要最低限のサービスの範囲は管轄裁判所によって決定されることとなります。(労働組合法38条(b))

 

なお、後述する労働紛争解決法40条により、仲裁機関による交渉、仲裁及び調停の機会を設けずストライキ及びロックアウトを行うことは禁止されており、ストライキを行う前に双方の合意を得るための交渉の機関を設けることが求められています。

これらストライキに関して、関連する労働連盟は期限内にストライキを許可するか、もしくは当該ストライキについてかかわりを持たないかを通達することが求められます。(労働組織法40条)

[ストライキの手順]

一方、雇用主が公益事業にかかわらないロックアウトを行う場合は、労働組織と仲裁団体に対し閉鎖開始日と期間を遅くとも14日前に行う必要があります。(労働組織法37条)

ロックアウトとは労働組織法2条において労使間の紛争の結果行われる一時的な職場の閉鎖、業務の中止、もしくは従業員が職場で作業を継続することを拒絶することと定義されています。(労働組織法 2 条(f))

なお、労働組織法44条(a) では労使紛争解決手続が係属中であることを理由としたロックアウトは禁止されている他、

  1. 水道事業
  2. 電気事業
  3. 消防
  4. 公共医療
  5. 通信事業

 に関わる事業など人々の生活にかかわる分野は法的にロックアウト及びストライキが禁止されています。(労働組合法41条)

 

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最後までお読みいただきありがとうございました。

Creater : Takamasa Kondo