ミャンマーの就業人口とその内訳
  
Topic : Labor
Country : Myanmar

豊富な労働人口と安い人件費が魅力のミャンマーですが、一方でヤンゴンでは2年に一度最低賃金の改定がされることや、オフィスワーカーの増加による賃金の上昇なども話題に上がっています。
ここで、改めてミャンマーの就業人口やその内訳について考えてみたいと思います。

 

■就業人口

ミャンマーの人口や就業人口、産業別就業人口、失業率などの資料は限られています。
特に、ミャンマー政府による国勢調査は2014年に31年ぶりに行われそれ以降は未だ実施されていません。
そのため外部組織の情報を見ていくこととなるのですが、The World Factbookのミャンマーの統計によると、ミャンマーの人口は約5,659万人(2020年7月発表)となっています。人口構造は、新興国で典型的に見られるような20代前半から30代半ばの若年層が多い人口構造なっており、今後の労働人口の増加が期待されます。

 

【ミャンマーの人口構成比】

年少人口(0~14歳) 25.97%

生産年齢人口(15~24歳) 17%

生産年齢人口(25~54歳) 42.76%

生産年齢人口(55~64歳) 8.22%

高齢者人口(65歳以上) 6.04%

出所:CIA  The World Factbook 2020

 

■産業別就業人口と労働者の海外流出

第一次産業については、基幹作物であるコメの生産に加えて、ゴマ・落花生・マメ類の栽培が特徴として挙げられます。第二次、第三次産業の成長に伴い、第一次産業への従事者が減少しているとはいえ、国民の約半数が農村に居住する生活環境からも産業構造の比率は今後も劇的な変化は考えにくいとされています。
第二次産業については、近年注目を浴びているヤンゴンやマンダレーの工業団地において、鉄鋼業、石油および天然ガスなどを中心として産業従事者の人口を伸ばしています。

 

ヤンゴンではこうした地方の農家などから出稼ぎに来ているミャンマー人が工場等でワーカーとして働いている場合も多く、賃金を抑えた経営ができる一方で、労働への価値観が日本人と異なることも多く、無断欠勤や無断退職といった問題も散見されます。
こうした人材が職場で不安なく働けるような環境づくりや、仕事におけるルールの明文化などを行い、問題に対処していくことが必要になってきます。

(出所:International Labor Organization Country Profiles The latest decent work statistics by country 2019)

 

加えて、タイやシンガポールでも多くのミャンマー人が出稼ぎ労働者として就労しています。中でも、タイで労働許可証を所持しているミャンマー人は100万人に上り、労働許可証を持たず不法に就労している労働者を含めると、タイ国内で労働しているミャンマー人は、200万人を超えるといわれています。タイの多くの縫製業などの製造工場では、多くのミャンマー人が廉価な労働者として働いている実態があります。それは2018年時点では月額平均で約13,500バーツと賃金の上昇傾向にあるタイ人の工賃と比較すると、ミャンマー人の工賃は安く抑えることが出来ると言われています。

また、ミャンマーの労働市場では、管理職や専門職の割合がどの業種においても少ないことが特徴として挙げられます。これは、管理職や専門職となる優秀な人材がシンガポールや欧米へ流出していることが原因の一つと考えられています。

シンガポールには約20万人のミャンマー人がいるといわれており、技術者、エンジニア、IT技術者、看護師、大学教授、国連機関の職員などが多く、ミャンマーの知識層の流出が起こっています。これらのミャンマー人はシンガポールでさらに専門性を深め、アメリカ、オーストラリア、カナダ等へ移住しようと考えている人も多くいます。こういったミャンマー人の海外流出から、ミャンマー国内で質の高い人材や熟練技術者を確保することが難しくなっている傾向にあります。

こうしたマネジメント層の不足に対応していくためには、採用において優秀な人材を各法するといった方法の他、教育制度を充実させ新卒で入社したスタッフが自社の経営理念や方向性を理解し経営に関わっていく形で成長するような仕組みづくりも行っていくことが重要です。

 

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最後までお読みいただきありがとうございました。

Creater : Takamasa Kondo