前々回に引き続き、EOPT法(納税簡易化法)に関する記事となります。
今回は、2024年3月22日に発表されたRevenue Regulations通称RR、No. 05-2024の施行規則について、重要と思われる特徴をおもにご紹介します。
*本法の発効日は2024年7月1日です。
*旧規制と異なる部分、そして新たに規制として施行されるものは太字で記載しております。
①VATの還付申請について【新規制】
A. 納税者がVATの還付申請をBIRへする際に、当局側ではそれぞれの申請内容についてどの程度のリスク(申請内容に整合性があるか)を確認します。そのリスクの等級分けは申請数、申請の頻度、税務コンプライアンス遵守の前歴、その他の承認プロセスで調査されるリスク要因によって決められます。
ハイ(高)リスクは、BIRによって還付申請内容に該当する関連書類等すべて(100%)を調査されます。
ミディアム(中)リスクは、BIRによって還付申請内容に該当する関連書類等の50%程を調査されます。
ロー(低)リスクは、BIRによる精密な調査は実施されません。
B. その他7つのリスク要因:
1. 初回の申請時および4度目の申請時には自動的にハイリスク認定されます。
2. 過去の申請で否認がされた事がある場合、次回からの申請時には自動的にハイリスク認定されます。
3. 最初にミディアムリスクとして認定された申請をRevenue Office(歳入庁オフィス)が調査時に30%の内容を否認した場合、当該申請はハイリスクと認定し直されます。
4.過去の申請が連続してローリスクと認定されていた場合、次回の申請時には自動的にハイリスクの申請として認定されます。
5. 申請者(企業)がビジネスの休止、または閉鎖手続き中の申請の場合は、ハイリスク認定されます。
6. 四半期ごとの申請をする場合は、リスクの分類もその都度行われます。
7. CIRからの通達によりその他の制限が設けられることもあります。
②VAT還付の手続き期間について
1. リスクレベルに関わらず、すべてのVAT還付申告書類が提出されなければなりません。
2. 申請日はすべての必要書類を提出し終えた時点で認識されます。
3. BIR側での還付および承認手続きは上記の申請日から90日以内で行われます。
4. 申請が否認された場合、30日以内にCTA(税務裁判所)へ控訴することができます。
5. 期限の90日以内に申請結果が当局より通達されない場合、申請者は90日の有効期限が切れた後の30日以内に、CTAへ控訴、または法的救済を取りやめることができます。
そしてBIRに所属するすべての担当官や従業員が申請に関わる際に発生した不手際等に課せられる行政の罰金は、該当者すべてに適用されます。
③超過所得税控除の還付について
1. 年次所得税が申告された日から2年以内に該当する申請は行われなければいけません。
2. 年次の所得税申告時に、還付/控除申請をする分の所得が含まれている必要があります。
2307(源泉徴収証明書)の添付と申告書の内容に含む必要があります。
3. 源泉徴収税の申し立ては、所得税の支払い総額と源泉徴収税の総額を、受取人が、正当に発行された源泉徴収証明のコピー(2307)を提出することによって、認められます。
4. 申請者がTCC(税額控除証明書)、もしくは還付の手続きをしているが、翌年の会計年度で該当する超過税金の繰越を選択した場合、還付または控除の申請は自動的に否認されます。
5. 所得税には180日以内に申請内容の手続きが完了されます。
④閉鎖手続き中企業の超過所得税控除の還付について
1. 上記規定の内容の例外ケースとして、永久的な営業停止をしている企業が超過所得税の繰越を選択していた場合、還付申請を行うことができます。
2. 還付申請はBIRによって、企業の営業停止日から180日ではなく、2年以内に承認可否を決定されなければなりません。
3. 上記の2年のカウントが開始されるのは、BIR Form No.1905(閉鎖申請書)およびその他必要書類の提出が完了してからになります。
4. 還付申請が承認された場合、その他の必要な税務およびコンプライアンスにおける当局からの監査、税務調査が完了してから還付を受けることができます。
⑤クレジット/払い戻しの法的請求
1. 法的請求(税務裁判所等へ控訴する)はCIRより還付または控除についての結果がCIRより出た後より(旧:CIRとともにしかるべき時にのみ)行うことができます。
2. 訴訟や訴訟手続きは、CIRによる全面的もしくは部分的な否認通告がある、または180日(旧:2年)以内の申請に対して不履行がある場合に行うことができます。
3. ビジネスの休止中または閉鎖手続きの最中である場合、超過所得税に関する還付/控除の法的請求はCIRによる全面的または部分的な否認から30日以内に行わなければなりません。
以上
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