労働許可証未取得リスクと実務上の注意点
近年、カンボジアにおいて外国人労働者の管理が強化される中、「Recall Fee(リコールフィー)」と呼ばれる違反金の請求事例が増加しています。
実務上、想定外の高額請求となるケースもあり、企業側にとって重要なリスク要因となっています。
そのため、今回の記事では、「Recall Fee」について、概要を紹介させていただきます。
■ Recall Feeとは
Recall Feeとは、主に以下のようなケースにおいて、労働省(MLVT)から課される過去違反に対する遡及的なペナルティです。
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労働許可証(Work Permit)未取得
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外国人雇用枠(Quota)未申請
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就労実態の有無に関わらず「就労とみなされた」場合
特徴的なのは、実際に就労していたかどうかに関係なく課される可能性がある点です。
■ 「63日ルール」による違反金計算
実務上多く見られるのが、違反金の算定において「63日」という固定日数が用いられるケースです。
通常、違反金は滞在日数や違反期間に応じて計算されると考えられますが、カンボジアでは以下のような運用が確認されています:
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実際の滞在日数に関係なく
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一律で「63日分の違反」とみなして計算
そのため、たとえ数日間の短期滞在であっても、約3,000USD規模の違反金が課されるケースが発生しています。
この点については、明確な法令条文というよりも、労働省の実務運用に依存している側面が強いとされています。
■ なぜ就労していなくても違反になるのか
特に注意すべきは、 EBビザ(ビジネスビザ)で入国した場合となります。
この場合、実務上は、「就労目的の滞在」とみなされる可能性が高く、実際に働いていなくても、 労働許可証未取得=違反と判断されるリスクがあります。
※「観光目的だった」では基本的に覆らないのが現状となります。
■ 実務上の現実:違反金の取り下げは困難
今回の事例のように、
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観光目的であった証明を提出
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本人が労働省へ出向いて説明
といった対応を行った場合でも、
???? 違反金の取り下げは認められないケースが一般的です。
最終的には、
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違反金を支払う
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その上で当年度のWork Permitを取得する
という対応を求められるケースが多くなっています。
■ 企業が注意すべきポイント
① ビザ種別と実態の整合性
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EBビザ=就労扱いになるリスクあり
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観光目的の場合はTビザの利用が原則
② 外国人雇用枠(Quota)の事前申請
③ 労働許可証の取得タイミング
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原則:就労開始前または速やかに取得
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年度跨ぎや過去未取得は遡及リスクあり
④ 入国履歴の管理
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過去のEB入国履歴が遡って指摘されるケースあり
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数年前の履歴でもRecall対象になる可能性
⑤ ローカル対応の限界
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労働省の判断は裁量要素が強い
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交渉での免除は難易度が高い
■ まとめ
カンボジアのRecall Feeは、
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法律上の明確な日数計算ではなく
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実務運用ベースで課される
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実態より「形式」で判断される
という特徴があります。
そのため、企業側としては、「実際に働いていないから大丈夫」ではなく、 「形式上どう見られるか」で管理することが重要となります。
■ 今後の実務対応
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ビザ・WP・Quotaの一体管理
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入国前のスキーム整理
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年度ごとのWP取得管理が不可欠となります。
弊社では、カンボジアにおける、労働許可証取得やQuota申請、Recall Fee対応(事前予防含む)のサポートも行っております。
ご不明点等ございましたら、お気軽にご相談ください!
以上、今週もお読み頂きありがとうございました!!