タイ政府は2024年5月14日(火)に現在の東部経済回廊(EEC)政策委員会事務局が提案した10年間のEEC特別ビザについて閣議承認をしました。
当ビザは主に、企業幹部(エグゼクティブ)や専門家(スペシャリスト)等高度な知見やスキルを持つ外国人を対象として発給されるとしており、EECが特別なビザを用意することで、EECがターゲットとする高度産業分野の投資誘致の追い風とするためだとしています。
また、上記4つの区分からスペシャリスト向けEECビザ「S」、エグゼクティブ向けEECビザ「E」、プロフェッショナル向けEECビザ「P」、配偶者・扶養家族向けEECビザ「O」と区分分けがあり、各グループにて別途、申請資格や恩恵を付与するとしています。
■各対象グループへの資格と恩恵は次のとおりになります。
(1)EECビザ「S」「E」「P」の恩典
- 雇用契約に基づくビザの有効期間は最長10年間(当初の滞在許可は5年間)付与される
- オンラインでのイミグレーションへの報告が可能
- EEC内の移民局でのビザの種類変更/更新
- 扶養家族(法律上の配偶者、子女)に対する必要かつ適切な滞在権の付与
- EEC労働許可証の付与
- 17%の個人所得税(一律)
- 国際空港でのファストトラック・サービス(入国審査優先レーン)の利用が可能
(2)EECビザ「S」「E」「P」の発給条件
- タイに拠点を有する企業との雇用契約を有すること。
- 申請者が入国管理法の禁止事項に抵触しないこと。
- 雇用主からの身分証明があること。
- スペシャリスト「S」の場合、対象産業の発展や振興に関連する知識やスキルを有すること。スペシャリストは、修士号以上または同等の学歴を有するか、当該産業における3年以上の実務経験を有することが求められる。
- エグゼクティブ「E」の場合、経営や意思決定に携わる者であること。
- プロフェッショナル「P」の場合、対象産業の発展や振興に関連する実務経験を有すること。審査において実務経験が考慮・承認の判断材料となり、少なくとも5年の実務経験が必要となる(ただし、新興分野の科学/ナレッジに関連する場合は1年以上の実務経験で可)。
(3)EECビザ「O」の利点:
・雇用契約に基づくビザの有効期間は最長10年間(当初の滞在許可は5年間)付与される
・オンラインでのイミグレーションへの報告が可能
・国際空港でのファストトラック・サービス(入国審査優先レーン)の利用可能
(4)EECビザ「O」の発給条件
- EECビザ「S」「E」「P」対象者の法律上の配偶者または扶養家族であること。
- 申請者が入国管理法の禁止事項に抵触しないこと。
日本人を含め、タイでの個人起業家向けの起業アイデアを考察するにあたり、今回の閣議承認は非常に重要になってくるといえるでしょう。
今後、追加で詳細情報があがってきましたら、こちらも随時ご紹介させて頂きます。
今週もお読みいただき誠にありがとうございました。