インドネシア国内での記帳および納税は原則としてルピア(IDR)で行う必要がありますが、一定の要件を満たし、税務当局の承認を得た法人は、米ドルでの記帳が可能です。
<条件>
・外資系企業(PMA)
・海外の親会社と連結決算を行う企業(親会社が外貨で報告を行っている場合) など
従来はドルで記帳を行っていてもルピア建てで納税をすることができましたが、財務大臣規則 2024年第81号(PMK 8/2024)および施行規則PER-8/PJ/2025の運用が開始された2025年度税務申告以降は、法人所得税(PPh25, PPh29)の納付は米ドル建てで計算することが義務化されました。
1.申請方法及び期限
・既存企業(記帳通貨の変更):会計年度開始の3ヵ月前までに税務署へ届け出
・新規設立企業:設立から3ヵ月以内に届け出
・ルピア記帳に戻る場合も会計年度開始の3か月前までに申請が必要となります。
※一度米ドル記帳を選択すると、原則として5年間はルピア記帳に戻すことができません。長期的な事業計画に基づいた判断が必要です。
2. コアタックス運用における注意点
2025年から運用が始まったコアタックスでは、記帳通貨と納税通貨の整合性が自動的にチェックされます。
・通貨と言語のセット適用:
米ドルでの記帳を選択している場合、法人所得税(PPh25:月次予納、PPh29:年次確定申告分)の納付も米ドルで行う必要があります。
・「未払い」判定のリスク:
コアタックス上で電子納税番号(billing code)を作成する際、通貨選択で「USD」を指定しなければなりません。米ドル記帳企業が誤ってルピアで申告・納付した場合、システム上は「未払い」として扱われ、延滞ペナルティの発生や確定申告が受理されない等のリスクがあります
・為替レートの指定
税金計算を米ドルで行う際、ルピア換算が必要な場合は、取引時点の財務省告示レート(KMKレート)を適用します。
・他税目の取り扱い:
法人所得税(PPh25/29)は米ドル納付となりますが、源泉徴収税(PPh21/23等)や付加価値税(PPN)は、取引自体がルピアで行われる限り、従来通りルピアでの納付となります。