さて前回に引き続きデット・エクイティ・スワップ(DES)(フィリピンではDebt to Equity Conversionとも呼ばれます)についてお話してまいります。
まずフィリピン手続きの全体像としては以下の通りです。
①必要書類(ローン契約書、株主総会の決議書等)の公証(日本でのアポスティーユ認証):約2~3週間
②国内歳入庁(BIR)での手続き:約2か月
- Monitoring Clearance
- Certificate of Good Standingの取得
- 増資登録・株式発行
- 印紙税(DST)の支払い
③証券取引委員会(SEC)での手続き:約1~2週間
- General Information Sheetの更新
全体で3か月、長ければ4か月かかるというのが保守的なスケジュール感です。
なぜ保守的に考えるべきかと言いますと、主に①、②に時間がかかるからです。
まず親会社(債権者)が日本(国外)にいる場合、もともとのローン契約書はフィリピンの現地法人と日本の親会社ということで国をまたぐ契約になります。
このような国をまたぐ書類や、日本本社の決議書等はアポスティーユ認証(かつての公証)が必要になります。
企業様によってはそのような役員の方の署名に時間がかかることがあるため、①は余裕をもって計画しましょう。
また②では、単純に増資手続きをするのではなく、過去のコンプライアンス(税務申告)に不備がないかを簡易的に確認するMonitoring ClearanceやCertificate of Good Standingの取得を経験しなければならないため、時間がかかると見込んでいます。
もし不備が発見された場合には、その分を申告しなければなりませんので、この不備の量・内容によって時間が変動することになります。ご注意ください。
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最後までお読みいただきありがとうございました。