2023年度におけるPhilHealth(フィリピン健康保険公社)の保険料率の適用の中断
2023年1月2日、フィリピン大統領府(Malacañang)がフィリピンのおける公的社会保険機関の1つである、PhilHealth(the Philippine Health Insurance Corp.、フィリピン健康保険公社)に対し、2023年度の保険料率(Premium Rate)の適用の中断を発表しました。
PhilHealthについて簡潔に説明いたしますと、日本でいう「国民健康保険」にあたります。
フィリピンで事業を行う企業(現地法人、支店、駐在員事務所など、進出形態を問わず)は、従業員を雇用した際に、PhilHealthに登記することが求められ、毎月社会保険料を納付する義務を負います。
各保険料率の負担割合としましては、全体負担率から、雇用主(会社)50%負担、従業員50%負担となっています。
2022年度(2023年1月時点での)の保険料率
全体負担率:4%
雇用主(会社)負担率:2%
従業員負担率:2%
内容の概要
先ず、この度のトッピクであるPhilHealthの保険料に関する増率は2019年2月19日にRodrigo Duterte前大統領が署名した、共和国法第11223号(the Universal Health Care Act、通称、「UHC法」)第10条により規定された内容になります。
具体的には、2019年から毎年保険料率を0.5%ずつ上げ、最終的には2025年までに5%の保険料率の引き上げを目標とするものです。
2023年度においては全体負担率が4.5%の適用が予定されておりましたが、この度の大統領府の発表により、コロナウイルス(Covid-19)による社会的、経済的課題を鑑み、国民に対して財政上の負担をかけるべきではないとの判断により、中断となりました。
最後に、いつまで中断するのかについての時期については言及がされていなかったため、今後に関しましては注意が必要です。
<参考文献>
https://mb.com.ph/2023/01/02/palace-orders-philhealth-to-suspend-2023-rate-hike/
https://www.philhealth.gov.ph/partners/employers/ContributionTable_v1.pdf