2019年11月23日にフィリピン健康保険公社(通称PhilHealth:Philippine Health Insurance Corporation)から保険料変更に係る通達が公表されました。
本通達に伴い、2020年1月より、保険料率等が引き上げられることになりました。
現在、PhilHealthの保険料の負担は労使折半となっており、規定のテーブルに基づいて算出され保険料の半分を雇用者、残りの半分を被雇用者が負担となります。
よって、今回の保険料引き上げにより、企業側にとって社会保険料負担が増え、コストアップとなる点ご注意ください。
今回の変更点は、主に2つあります。
- 保険料率の上昇
2019年:2.75%→2020年:3.00%
それ以降は毎年0.5%ずつ引き上げられ、2024年に5.00%まで上昇
- 報酬月額上限の増加
2019年:50,000ペソ→2020年:60,000ペソ
それ以降は毎年10,000ペソずつ引き上げられ、2024年に100,000ペソまで増加
また、月収が10,000ペソ以下の被雇用者の場合、テーブルの報酬月額下限である10,000ペソに基づいて算出し、また月収がテーブルの報酬月額上限を超える場合には、保険料はテーブルの報酬月額上限に基づいて算出されます。
なお、保険料テーブル(保険料率、報酬月額上限)は2025年まで記載があり、それ以降の年は、改めて見直しがされるものと想定されます。
以下、PhilHealth保険料の新テーブル(2019年~2025年)となります。
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今回の保険料変更は、ユニバーサルヘルスケア制度構築に向けた財源確保が狙いだと考えられます
*ユニバーサルヘルスケア制度とは、2019年2月20日にユニバーサルヘルスケア(UHC 国民皆保険法)が成立し、フィリピン政府は、国民全員が適切な予防、治療、リハビリ等のサービスを必要なときに支払い可能な費用で受けられる体制の構築のこと
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