日本の総務省でも「ポストコロナ」が使われるくらいポストコロナという言葉自体も、
社会に浸透してきている昨今、我々企業はどのように人材を人財に変えて、
ポストコロナ時代でも継続的な成長をしていけるか、ということを考える必要があります。
これは、現在、我々がいるベトナムにおいても同様で、コロナ渦中において、
社員の思考も変わってしまったということもあるでしょう。
結論から言うと、ウィズコロナからアフターコロナへ向かうポストコロナ時代において、
勝ち組になるか、負け組になるか、それは、皆さんの会社がどのように、
ベトナム人の教育に向き合うかによって左右されるかもしれません。
ご質問などございましたらお問い合わせ下さい。
■ 目次
1. 「ポストコロナ」時代における人事戦略
2. ベトナム人材からベトナム人財へ!
3. ご案内
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■「ポストコロナ」時代における人事戦略
変わりゆく社会の常識、不確実のある時代の中で、どのように人材を活用していくかということを考えながら採用をしていく必要が出てきています。
もともと、ベトナムにおいては変化しないことがむしろ変だというくらいに、法律が変わったり、
会社ができたり、なくなったり、市場にある店が変わったりしていました。
それが新型コロナウイルスの影響もあり、さらに変化してきています。
ボーダレスに動く経済、ITによるビジネスの進化などもあり、働き方も変わってきたのでどこにいても働けるというのはありますが、
常駐で人材を置かないといけないビジネスにおいては、コロナを通して経済の不確実性も知ったので、
今後人材を抱えること自体もリスクになりえる事態となっています。
このように変化やリスクのある時代に対応するためには、
どんな風に人材を採用しておけばいいか、他社はどうしているのか、気になるところでしょう。
下記は、ベトナムでの一例になりますが、貴社においても参考にしてみてください。
内部の人材リソースを活用
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外部の人材リソースを活用
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人材紹介
未経験者の採用
インターンシップの採用
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人材派遣
外部コンサルティングファームの利用
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■ ベトナム人材からベトナム人財へ!
経営者の方であっても、技術職出身の方であっても、営業職出身の方であっても、
「売上」や「費用(コスト)」、「利益」と言うものを意識したことや考えたことは、少なくとも1度はあるかと思います。
おそらく、日本やベトナム以外の国にいた時にはあまり意識してなかったが、
ベトナムに来てからは本社にも報告が必だからということで、常に意識しているという方も少なくないはずです。
これらは、バランススコアカードでいう財務の視点の部分に当てはまりますが、
財務というのは経営のすべての結果を数字で表したものです。
この数字はどのようなものから作り出されているかというと、
顧客の視点でみると、営業活動であったり、プロセスの視点で見ると、製造活動であったりします。
では、そもそもこれらは誰が行っているのかというと、ベトナム人です。
ということは、人材のレベルによっても(ビジネス内容によりますが)
営業活動のレベルや製造のレベルも変わる可能性がありますし、
それが回りまわって最終的には財務に影響してきます。
つまり、人材のレベルを高めると財務も良くなるし、
高めなければ財務もそこそこにとどまるか、悪くなる可能性があるということも言えます。
では、人材のレベルを高めるには、どうすればよいのか?それは、ベトナム人の教育です。

組織や人を考えるときに、ティール組織というのがありますが、ティール組織というのは、
簡潔に表現すると、規律がないとうまくいくというのではなく、
究極的にはいい人材がいればいい会社ができるというものです。
例えば、何か組織改革のためにツールを導入したりしても、
結局それを行う人が育ってなければ、うまくいかないということになります。

また、ティール組織の元にもなったといわれるインテグラル理論(ケン・ウィルバー著)というのもありますが、
ここでは、人間の成長というのは発達段階があり、成長につれて、心の利己的なものが段々なくなっていくという風に言われています。
一つ一つの発達段階は何か大きな気付きを得て発達していくイメージとなります。
教育というのは人がいる限り行わねばならないものですが、そうはいっても人材教育が苦手な人もいるでしょう。
苦手ながらやっているが、なかなか人が育たないと思っている方もいるはずです。
ですが、このインテグラル理論の著者によれば1つの段階を超えるのに大体5年くらいかかると言っています。
つまり、急には人は変わらないという風に解すこともできます。
これを聞いて、人の教育等のは時間がかかる、長い時間をかけて人を育てていく必要があるのだと思っていただけるでしょうか。

次に、上の図を使って、インテグラル理論を経営に応用して考えてみます。
まず、ベトナム人の個人の思考というのが行動にでてきます。
やがて、それが行動の集合体が文化になっていきます。
つまり、「いい文化」を持っている会社というのは、「いい行動」を持っているといえます。
さらに、「いい思考」を持った社員らがいるとも言えるでしょう。
では、その「いい思考」を持つにはどうしたらいいか?
それは、まず右下の窓の部分から始めてみましょう。
ベトナム人社員のいい思考を創るためには、何を最初に会社で設計するのか?ということ考えます。
例えば、経営理念、制度設計、規律です。
ここで、仮にいい文化づくりを目標設定した場合、文化づくりは目的となり、
経営理念や制度設計、規律の順守というのは手段になります。
これらを使って、どんな制度設計をするのかによって、
個人の思考に影響の与え方も変わってくることになるでしょう。
ここでのポイントは、社長やトップの人間が言っただけでは足りませんので、
個々のベトナム人スタッフが情熱をもって伝えていく必要があります。
伝えることができているのかどうかについては、人事評価制度などを使って、
ベトナム人スタッフの行動の変化の度合いで測っていくといいかと思います。

とはいえ、教育をしようとしても、日本人が言ってもベトナム人が動かない場合もあるかもしれません。
その場合、もしかすると、それぞれの役職間で自分らの役割の定義の認識が異なっている可能性もあります。
管理職(上の図でいうミドルマネジメント)というのは、戦略の有効性をフィードバックするのもしごとですが、
一方で、先ずは戦略の実行を推進させることや完遂させること、というのも仕事です。
そして、スタッフレベル(上の図でいうロワーマネジメント)の仕事はとにかく実行することが仕事です。
この共通認識を持てているかどうかによって、教育の実行具合も変わってくるはずですので是非共有と確認をしてみてください。

三つの輪(上の経営の統合図)で利害関係を示していますが、
これを理解しているベトナム人スタッフはまだあまりいない印象です。
ここ数年コロナ渦中で政府局から手当をもらえたり、会社から手当がでたりなどもらう思考、
受け身な思考、になっている社員もいる会社もあるはずです。
しかし、会社が成長していくためには、もらう思考よりも、
与えていく思考、受け身な思考よりも自発的な思考を持った社員が必要です。
そのためには、なぜ自分は給与をもらえるのか?を理解する必要があり、それを理解するための図が上の図になっています。