ベトナムの労務②ー労働基準に関してー
  
Topic : Labor
Country : Vietnam

第2弾としてベトナムの労働基準に関してお伝えします。

 

1 労働体系

2 賃金

3 有給休暇

 

「1 労働体系」

ベトナムの労働時間に関する事項は下記の通りになります。

・労働時間(日・週):1日8時間・週48時間

・一日の休憩時間:30分以上 (8時間労働以上の場合)

・休日:最低1日以上

・時間外労働(日):最長で1日の労働時間の50%未満※8時間勤務の場合-->4時間まで可

・時間外労動(月・年):月50時間・年200時間

※政府が規定する業種のみ300時間まで可

 

上記事項は就業規則・雇用契約書にて明記します。

休憩時間に関しては、実務上30分としている企業は少なく1時間が一般的です。

また昼寝の習慣もあるため、休憩時間を1時間30分としている企業もあります。

休日は月間で4日は取るよう調整します。(週休を取れない場合)

労働時間が12時間を超える場合は対象の労働者に応じ罰金が発生します。

 

「2 賃金」

下記割増率になります。※上記通常の労働の1時間当たりの賃金に上記割増率を上乗せします。

 

〇時間外労働の場合

通常の労働日-->割増率150%

週休日または祭日-->割増率200%

法定祝日または有給休暇中の労働-->割増率300%

 

〇深夜労働の場合

午後10時から午前6時-->130%

 

〇時間外労働かつ深夜労働の場合

通常の労働日-->195%

週休日または祭日-->260%

法定祝日または有給休暇中の労働-->390%

 

例)労働日深夜時間外労働(21時から25時)※通常の賃金1000円の場合

 

(労働時間4時間 労働外時間1時間 深夜労働外時間3時間の為) 

1000円×1時間×150%=1500円

1000円×3時間×195%=5850円

 

「3 有給休暇」

下記有給休暇の関しての取得要件・留意点となります。

 

・通常の労働者の場合、年次有給休暇は12日

※過酷な労働条件または18歳未満の労働者の場合-->14日

重過酷の条件下の場合-->16日

 

・有休を取得した場合通常の100%の賃金を支払う必要がある

・勤続年数5年ごとに1日ずつ増加される

※1年未満の労働の場合1か月ごとに1日付与される

・未消化の有給は下記のいずれかにて清算

次年度に繰り越す

賃金で清算する

 

上記に関し、有給未消化・賃金未清算のまま退職したとすると、一度に多額の費用がかかるため普段から給与テーブルや管理表等で管理する必要があります。

 

以上になります。

次回は労働者を雇用する上での留意事項について書いていきます。

Creater : TAKEHEHIRO NAGAYAMA