ベトナムの旧正月であるテト休暇まで残すところ1か月程度となりました。
今回のブログでは、テト休暇までに知っておきたい従業員の退職対策についてご説明をさせて頂ければと思います。
ベトナムではテト休暇後に退職者が増加する傾向があります。
テト休暇で実家に帰省したまま職場に復帰しない従業員、テト休暇前後の賞与の問題で離職をする社員が毎年必ずと言っていいほど出る現状でございます。
テト休暇後の離職率は5%程度であると言われています。
テト休暇後に従業員が突然退職の意向を表明し、従業員の退職手続きの対応で追われないためにテト休暇前に注意事項について認識しておくことが必要です。
今回のブログでは従業員の退職対策として、未消化の年次有給休暇についてご説明をさせていただきます。
退職時や失業時、従業員に未消化の有給休暇が残っている場合、ベトナムでは企業が賃金として清算をするケースが一般的となっております。
補足として従業員が勤続している期間に関しまして、2012年労働法及び2019年労働法によりますと、雇用主が従業員の有給休暇未消化分の清算を強制する規定はございません。
2021年1月1日より改正労働法の施行に伴い、未消化分を清算することが出来るケースは退職時及び失業時であると範囲が限定されています。
下記、2012年労働法と2019年労働法の比較となります。
<2012年労働法>
従業員は退職、失業またはその他の理由により、まだ年次有給休暇を取得していない、またはまだすべてを消化していない場合、未消化の年次有給休暇を賃金として清算することができる。
(10/2012/QH13、第114条)
<2019年労働法>
退職、失職により、年次有給休暇を取得していない、又は年次有給休暇日数を全て消化していない場合、使用者は未取得の有給休暇につき賃金で清算することができる。
(45/2019/QH14、第113条)
実務上、有給休暇の未消化分の清算対応に関する詳細が曖昧であることから、未消化分を賃金として支払いを行うのか否か、未消化分をどのタイミングにて清算を行うのか企業側の判断に委ねられている状況となっております。
労働法によりますと、3年分の有給休暇をまとめて一度に消化をすることが可能でございます。
<2019労働法第114条>
労働者は,年次有給休暇を多数回に分けて,又は最大で 3 年分をまとめて 1 回で取得することを使用者と合意することができる。
対応策としては、退職時に従業員よりまとめて清算を要求され、賃金の清算を一括で対応することが出来ないケースを回避するため、日常的に有給休暇の消化を従業員の方に促していただくことが良いかと存じます。
有給休暇未消化分の清算に関して、原則は社員との合意の上で退職時に清算を行うことが良いかと存じますが、特段社内規定に明記がされていなく、会社と従業員間において企業側がどうしても清算を行うことが難しい場合、一時的に金曜日を有給日と設定し、週休3日で勤務をしてもらう等の対応をする事例などがございます。
退職時の有給未消化分についてどのように対応をするのか社内規定としてご確認いただくことが良いかと存じます。
その他ベトナムに関する情報へのご質問等がございましたらお気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました。