2025年版:ミャンマー税務⑤
  
Topic : Basic Information
Country : Myanmar

要約

  • 最新の関税制度は 2022年10月1日施行の「Customs Tariff of Myanmar 2022」 に基づいています。

  • 課税対象は品目ごとに細かく定められており、関税率は 0〜60% の範囲で設定されています。

  • 課税基準は CIF価額(貨物+保険+運賃)+上陸費用等 で算出されます。

  • 一律「CIF価額の0.5%を加える」という旧制度は 廃止 されています。

  • 投資案件や委託加工品の輸入は、一定条件下で 免税または軽減措置 を受けられます。

  • 電気自動車(BEV)関連製品は 関税0% の優遇対象です。

  • 車両組立部品(SKD/CKD)は 2023年以降、段階的に関税引き下げ が実施されています。

  • 為替レートは 2025年1月25日より中央銀行基準レート(下記参照)に再変更されました。

  • 関税制度は頻繁に改正されるため、最新の税率を都度確認する必要があります。

 


関税制度の概要

ミャンマーにおける関税は、1992年に制定された「関税法」を基本として運用されてきましたが、経済発展とともに複数回の改正が行われています。
現在は、2022年10月1日より施行された「Customs Tariff of Myanmar 2022(第7版)」 に基づいて関税が課されています。
この新版は、国際的な分類であるHSコードおよびASEAN統一分類(AHTN)を採用しており、より細かい品目ごとの税率体系へと移行しています。

 


課税対象および課税基準

輸入貨物は、原則として関税の課税対象となりますが、すべての品目が同一の税率で課されるわけではありません。
課税標準額は、CIF価額(貨物価格・保険・運賃の合計)に上陸費用などを加えた金額 を基礎として算出されます。
従来用いられていた「CIF価額の0.5%を加える」という一律上乗せの方式は、最新制度では適用されていません。

また、ミャンマー投資委員会(MIC) の認可を受けた投資プロジェクトや、委託加工用原材料 の輸入については、所定の手続きを経ることで関税の 免除または軽減措置 を受けることが可能です。
これにより、外国投資や製造業向けの優遇が促進されています。

 


関税率の範囲と優遇制度

2022年施行の最新版では、品目ごとの関税率が 0〜60% の範囲で設定されています。
税率は製品の種類、用途、原産地などにより大きく異なります。

たとえば、電気自動車(BEV)およびそのバッテリー類は、2022年11月以降、関税0% の優遇対象となっています。
また、自動車組立部品(SKD/CKD) の輸入に対しても、2023年6月以降、関税引き下げ の措置が導入されています。

さらに、ASEAN物品貿易協定(ATIGA) などの地域協定に基づく優遇関税も適用されており、加盟国間取引における輸入税負担が軽減されています。

 


為替レートおよび計算方法

2025年1月25日より、関税算定に用いる為替レートとして、ミャンマー中央銀行(CBM)が公表するレートが再び採用されることになりました。
現在、中央銀行は 公定レート(例:USD1=MMK2,100)Market Trading Rate(例:USD1=約MMK3,630) の両方を公表しており、関税計算においてもこれら中央銀行レートが基準として使用されています。

また、Market Trading Rate は毎週小幅に調整されるため、貿易実務では最新のレート公表を確認することが不可欠です。

この変更により、市場実勢との乖離は残るものの、中央銀行の基準レートに沿って関税評価額が算定されることで、為替変動による評価額への影響が一定程度抑えられる見込みです。

 

 

⑥に続く

Creater : 晃 渡辺