こんにちは。ベトナム・ハノイ拠点の小瀬と申します。
ベトナムへの進出をご検討される際、魅力的な優遇税制が大きな決め手となる企業様も少なくありません。本日は、ベトナムの法人所得税における優遇税制の基本的な仕組みと、進出前に押さえておきたい留意点について解説いたします。
1. ベトナムの標準法人税率
まず、ベトナムの標準法人税率は20%です。この税率は2016年から適用されており、現在も基本的な税率となっています。
2. 優遇税制の仕組み:「優遇税率」と「免税・減税」のセット
ベトナムの優遇税制は、多くの場合「優遇税率の適用」と「免税・減税期間の設定」がセットで提供されます。
これにより、一定期間、標準税率よりも低い税率が適用されるだけでなく、税金そのものが免除されたり、減額されたりする恩恵を受けることができます。
具体例:ソフトウェア開発企業の場合
法的条件を満たすソフトウェア開発企業を例に見てみましょう。この場合、トータルで15年間にわたる優遇税制の適用が考えられます。
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全期間にわたる優遇税率: まず、15年間の全期間を通じて、標準の20%ではなく10%の優遇税率が適用されます。
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上記10%の優遇税率に対する段階的な減免措置:

3. 優遇税制の適用対象に関する注意点
重要な点として、優遇税制は企業全体ではなく、企業が行っている特定の「事業活動」に対して適用されるものです。そのため、複数の事業を展開されている企業様は、優遇対象となる事業の所得と、対象外の事業の所得を分けて法人税を計算する必要がありますのでご注意ください。
4. 押さえておくべき留意点のまとめ
最後に、特に重要な留意点を3点にまとめます。
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起算点: 優遇税率の適用や免税・減税期間は、原則として「課税所得が発生した年度」から開始されます。
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期間終了後: 設定された優遇期間が終了した後は、標準税率(現行20%)が適用されます。
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区分計算: 優遇措置の対象となる事業と対象外の事業を複数行っている場合、それぞれの所得を区分して法人税額を計算する必要があります。

以上が、ベトナムにおける法人所得税の優遇税制の基本的な仕組みと主な留意点です。
これらの情報は一般的なものであり、個別のケースによっては詳細な条件が異なる場合がございます。具体的な進出計画に際しては、専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。
ご不明な点やさらに詳しくお知りになりたい点がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。