ベトナムに進出を検討される際、納めるべき税金について関心のある経営者の方が多いかと存じます。ベトナムの法人税は20%であり、日本やASEAN諸国と比較すると低い法人税率でございます。
(例:日本23.2%、フィリピン25%、インドネシア22% 2021年現在)
法人税率の低さがベトナム進出の魅力の一つですが、IT企業はさらに法人税の優遇税制を受けることが出来ます。
現在、IT企業の進出は南部や中部を中心に活発な傾向にございますので、是非ご参照いただけたら幸いです
優遇内容
合計15年間の法人税(CIT)の優遇を受けることが可能です。
| 優遇内容 |
| ①売上が計上された年度から15年間にわたり法人税率10%の適用 |
| ②課税所得(黒字)の発生から4年間は免税、9年間は50%の減免 |
【例:2021年に売上が計上され、2022年から課税所得が発生する場合】
| 2021 |
2022 |
2023 |
2024 |
2025 |
2026 |
2027 |
2028 |
|
売上
(赤字)
10 %
適用開始
|
売上
(黒字)
免税
|
免税 |
免税 |
免税 |
50% |
50% |
50% |
| 2029 |
2030 |
2031 |
2032 |
2033 |
2034 |
2035 |
2036 |
| 50% |
50% |
50% |
50% |
50% |
50% |
10% |
20% |
※原則、売り上げが計上された年度から起算されますが、
設立から3年経っても課税所得が発生しない場合、課税所得の有無にかかわらず、
4期目より強制的に4免9減の適用が開始されます。
優遇を受けられる条件
IT企業の優遇条件としましては、ソフトウェア開発の事業のみが適用対象となっておりますので、ご留意ください。
| 適用条件 |
| ①ソフトウェア開発のライセンスを取得していること |
|
②開発しているソフトウェアが通達番号09/2013/TT-BTTTTの
ソフトウェア製品のリストに含まれること
|
CAD業務、ソフトウェア販売および IT コンサルティング等の事業は優遇税制の対象外とみなされるため、事業内容について確認いただくことが必要です。
また、条件について明確に確認した場合は、税務局にオフィシャルレターを発行して回答を確認することを推奨いたします。
ソフトウェアの定義について
ソフトウェアの定義については通達番号16/2014/TT-BTTTT内の「ソフトウェア開発」であることが定められています。
また、ソフトウェア製造のプロセスについて下記の通り規定がございますのでご確認ください。
【ソフトウェア製造プロセス】
①要件定義(機能、特徴等ソフトウェアの要件を決める)
②分析・設計(機能要件の仕様、アルゴリズムの設定等)
③プログラミング・コーディング
④検査・テスト
⑤完了・梱包
⑥インストール・ユーザーへの使い方説明・メンテナンス
⑦販売、貸与、配布
※①~⑦の工程の中で、①・②の工程を含んでいる必要があります(13/2020/TT-BTTT)。
上記、IT企業の優遇税制についてまとめました。
適用対象の有無についてご確認いただき、対象となる場合は是非、こちらの優遇税制を活用いただければと存じます。
また、不明確である場合は税務局にオフィシャルレターを発行して回答を確認することを推奨いたします。
その他ベトナムに関する情報へのご質問等がございましたらお気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました。